2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540097
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
茂手木 公彦 日本大学, 文理学部, 教授 (40219978)
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Keywords | Dehn surgery / Seifert fiber space / lens space / hyperbolic knot / seiferter / Seifert Surgery Network / closed geodesic |
Research Abstract |
Thurstonは双曲Dehn手術理論により、もとの結び目が双曲結び目の揚合、有限個の手術(非双曲Dehn手術)を除きDehn手術後も双曲構造をもっことを示した。本研究では非双曲Dehn手術のうち、Seifert多様体を生成する手術(Seifert手術)に焦点を絞り、Seifert手術がどのように生じるのか、その"自然な"説明を与えることを最終目標に研究をすすめた。Seifert手術を考察するためにはSeifertファイブレーションを解析する新しい視点、手法が必要となる。ここではDehn手術によって得られるSeifert多様体のSeifertファイバーがどのように生じるかという点に着目しseiferterという概念を導入した。またseiferterを用いてSeifert手術全体からなるネットワーク"Seifert Surgery Network"を構築した。Seifert Surgery Networkを考えることにより、これまで個別にしか捉えることのできなかったSeifert手術たちを、それらの間の関係性から大域的に捉えることが可能になり、さらに、Seifert手術の典型例であるトーラス結び目上のSeifert手術との関係を記述することが可能となった。Seifert Surgery Networkという考え方はこれまでにはなかった新しい視点であり、Seifert手術を理解する上で非常に有効であることが期待される。これまでの研究で多くのSeifert手術のネットワーク内での位置がかなり明らかになってきた。今後の研究では、Seifert手術全体の"地図"をつくることを目指して、さらに研究を進めていきたい。同時に、Seifert Surgery Networkの基本的な性質について、3次元多様体の幾何構造との関連で調べていきたいと考えている。Seifert Surgery Networkの研究における究極の問題は、そのネットワークの連結性であり、連結性が証明されればSeifert手術が完全に理解されたことになる。今後の研究ではSeifert Surgery Networkの連結性の証明を目標に、seiferterの生成、消滅のメカニズムについてより精密な事実を明らかにしていきたい。
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