2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540097
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
茂手木 公彦 Nihon University, 文理学部, 教授 (40219978)
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Keywords | Dehn surgery / Seifert fiber spac / lens space / hyperbolic knot / seiferter / Seifert Surgery Network / closed geodesic |
Research Abstract |
トーラス結び目のSeifert手術はトーラス結び目の補空間のSeifertファイブレーションの拡張という観点から自然な説明がつくことが知られている。それでは、双曲結び目のSeifert手術はどのように生じるのだろうか。本研究では、これまでの研究で得られたネットワークという視点から双曲結び目に対するSeifert手術の発生のメカニズムの解明を目標に研究を進めた。ある結び目のDehn手術でSeifert多様体が生じた際、その手術後の多様体が実際にSeifert多様体になっていることを証明する方法としてはKirby calculusをはじめMontesinos trickなどいくつかの手法が知られている。その一方で、なぜその結び目がSeifert手術を許容しているのか、という問いかけはこれまでなされてこなかった。これはある人が風邪を引いた際、実際に風邪を引いていることを確認するいくつかの方法は知られているが、その人がなぜ風邪を引いたのか、その理由を明らかにすることがなされてこなかったということに対応している。seiferterの遺伝性を足がかりに、Seifert Surgery Networkという枠組みで研究を進め、Seifert手術の発生そのものの起源に重心を置いている点が本研究の大きな特色・独創的な点である。Seifert手術全体からなるSeifert Surgery Networkを考えることにより、Seifert手術も伝染病などが伝播していくのと同様に伝播していく様子が明らかになり、従来の研究では個別にしか捉えることのできなかったSeifert手術たちを、それらの間の関係性から大域的に捉えることが可能になった。特に、最近の研究で双曲結び目のSeifert手術の発生源となるトーラス結び目のSeifert手術(spreader)の族を無限個与えることができた。
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