2007 Fiscal Year Annual Research Report
コーエン型強制条件のサイズの数理:ランダム性と計算複雑さへの応用
Project/Area Number |
17540131
|
Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
鈴木 登志雄 Tokyo Metropolitan University, 大学院・理工学研究科, 准教授 (30235973)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
隈部 正博 放送大学, 教養学部, 准教授 (70255173)
|
Keywords | 数学基礎論 / 情報基礎 / アルゴリズム / ランダム / 乱数 |
Research Abstract |
ブール決定木はゲーム理論、人工知能論において重要な概念であり、ブール決定木へのランダムな真理値割り当てはヤオの原理(1977)以来、広く研究されている。我々はブール決定木の複製を多数、並列に接続して得られるブール関数を考察し、ビット列のランダム性のうちいかなる性質がこのようなブール関数によって保存されるかを研究した。偏りのないコインをでたらめに投げて上記の関数の入力ビット列とした場合、出力たるビット列の確率分布は、偏りのないコイン投げの結果とは異なることが容易にわかる。また、入力のシャノン・エントロピーを上げても必ずしも出力のシャノン・エントロピーが上がらないこともわかる。しかし我々はランダム性のある必要条件が上記の関数(の極限)によって保存されることを証明した。ここでいうランダム性はマーティン・レフのランダム性であり、直感的にいうとファイル圧縮の困難性と同値である。また、ここでいう必要条件とは任意の自然数rに対してダウドの意味でrジェネリックという性質である。この結果を以下の講演で発表した。"Which weak-randomness property is preserved by Boolean decision trees?"、2007年度証明論研究集会、平成19年(2007)12月3日-4日。また、Archive for Mathematical Logicに投稿中の以下の論文について編集者から掲載許可の連絡を受け取った(現在、編集部との連絡調整中)。M. Kumabe, T. Suzuki and T. Yamazaki "Does truth-table of linear norm reduce the one-query tautologies to a random oracle?"
|