2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540141
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
藤家 雪朗 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 助教授 (00238536)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
千原 浩之 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70273068)
土居 伸一 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00243006)
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Keywords | 準古典解析 / WKB法 / 超局所解析 / レゾナンス / シュレディンガー方程式 / 双曲型不動点 / 錐状交差ポテンシャル |
Research Abstract |
17年度の目的の一つは、一般次元の相空間における古典力学系の一つのホモクリニック軌道に沿う量子モノトロミー作用素を、フーリエ積分作用素として構成することであった。これは、一つのホモクリニック軌道が生成する、対応するシュレディンガー作用素のレソナンスの準古典的な漸近分布を調べるための重要なステップである。 Jean-Francois Bony, Thieryy Ramond, Maher Zerzeriとの共同研究により、今年度はホモクリニック軌道を構成する双曲型不動点における超局所解の接続の問題を解決し、プレプリントにまとめた。これは、15年、16年の本科学研究費による研究結果を次の2点において拡張したものである。まず作用素はシュレディンガー作用素に限らず、ハミルトン流が双曲型不動点をもつような表象に対する一般の擬微分作用素に拡張した。また双曲型不動点における基本行列の固有値について、最小固有値に対する固有空間の次元は1であるとしていた仮定を取り除いた。 この結果は18年度に研究集会、学会等で発表する予定である。また量子モノトドロミー作用素の構成の研究を引き続き共同研究の形で行う。 もう一つの研究として、錐状交差するポテンシャルをもつ2-レベルのシュレディンガー作用素の(一つのモデル)のレソナンスの漸近分布を明らかにした。この研究結果は学会、京都大学数理解析研究所や大阪大学、ボローニャ大学で発表し、数理解析研究所の講究録に掲載して頂いた。このモデルの特殊性を利用して1階の常微分方程式系に帰着させ、系に拡張したexact WKB法を適用する。錐状交差は帰着された系において双曲型平衡点に対応し、ここでは、超局所的な標準形を用いて解の接続公式を計算した。この結果は現在投稿中である
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Research Products
(4 results)