2006 Fiscal Year Annual Research Report
ランダム磁場シュレーディンガー作用素のスペクトルの研究
Project/Area Number |
17540148
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
野村 祐司 東京工業大学, 大学院理工学研究科, 助手 (40282818)
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Keywords | ランダム磁場 / シュレーディンガー作用素 / スペクトル |
Research Abstract |
(1)2次元ユークッリド空間における周期的Aharonov-Bohm磁場を持つシュレーディンガー作用素のスペクトルの研究。 一様磁場とランク2の格子上に周期的に配されたδ型特異磁場を考察した。磁場としては、格子点以外では定数磁場と一致するため、スペクトルに対してδ型特異磁場によるAharonov-Bohm効果がどのように現れるかが興味の対象である。Fを周期構造からくる基本領域を貫くフラックスの量とする。磁場Bloch解析、楕円関数、正準交換関係を使って、Fの大きさによって、ランダウ準位が多重度無限大の固有値になるための条件を与えた。さらに、Fの閾値においては、スペクトルの下端において絶対連続スペクトルが現れることを示した。またランダウ準位およびランダウ準位間に現れるスペクトルの状態密度関数の評価を与えた。 (2)有限グラフの無限アーベル被覆グラフ上のラプラシアンのスペクトルの研究 有限グラフの極大アーベル被覆グラフ上のラプラシアンを考察し、被覆構造に付随する固有値の存在の階層性や、固有関数の強局在性(有限台を持つ固有関数の存在)を示した。これらを使って、その有限グラフがある幾何構造を持つとき、固有値の非存在、さらに絶対連続スペクトルのみが現れ、バンド構造をなすことを示した。その幾何構造とは、有限グラフが2-因子(2-正則全域部分グラフ)を持つことである。これより、たとえば、偶数正則グラフや奇数正則二部グラフの極大アーベル被覆グラフ上のラプラシアンのスペクトルが完全に決定される。 (3)非分離2-因子の存在条件の研究 有限グラフGにおいて、Gの2-因子FでG-Fが連結となるものを非分離2-因子と定義し、頂点数と辺数によりその最善の存在条件を与えた。
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