2008 Fiscal Year Annual Research Report
関数解析的手法による微分方程式の解の存在とその性質についての研究
Project/Area Number |
17540149
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
塩路 直樹 Yokohama National University, 大学院・環境情報研究科(研究院), 准教授 (50215943)
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Keywords | 変分法 / 解の多重性 / 正値解 / 符号変化解 / ソボレフの臨界指数 |
Research Abstract |
N〓3,2^*=2N/(N-2)とし、Ω(⊂R^N)は有界領域で、その境界は滑らかとする。d>0が十分小さいとき、楕円型方程式-d^2Δu+u=f(u)inΩ,∂u/∂v=0 on∂Ωの符号変化解の個数は、下からcat(C(∂Ω)×[0,1]^2, C(∂Ω)×∂[0,1]^2)で評価できることを示した。非線型項fの仮定は、fの微分可能性やいわゆるAmbrosetti-Rabinobitzの優線形条件は仮定せずに、(i)f∈C(R,R),f(0)=0(ii)f(t)/|t|^<2*-1>→0(|t|→∞)(iii)t→f(t)/tは、(0,∞)において狭義単調増加で、(-∞,0)において狭義単調減少(iv)f′_+(0),f′_-(0)∈(-∞,1)ただし、f′_±(0)=lim_<t→±0>f(t)/t(v)f(t)/t→∞(|t|→∞)を仮定した。考えている問題は、-Δu+u=f(u)inΩ/d, ∂u/∂v=0 on∂Ω/dと同値であることを注意する。fの微分可能性やAmbrosetti-Rabinobitzの優線形条件を仮定しないので、Palais-Smale-Cerami列の極限関数として現れ得る方程式の球対称性は期待できない等様々な困難がある。しかしながら、Fをfの原始関数として、Φ_d(u)=∫_<Ω/d>{(|∇u|^2+|u|^2)/2-F(u)}dxと定め、N_d={u∈H^1(Ω/d)\{0}:(∇I_d(u),u)=0}, Md={u∈H^1(Ω/d):u^±∈N_d}と置き、d_n→0, I_<dn>(u_n)→c,dist(u_n,M_<dn>)→0のときの{u_n}の挙動をはっきりさせることが、解の個数の評価につながった。ここで、c>0は、d_n→0,dist(u_n,M_<dn>)→0を満たす場合の{I_<dn>(u_n)}が近づき得る値の下限である。
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Research Products
(6 results)