2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Fukuoka University of Education |
Principal Investigator |
内山 充 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (60112273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸崎 秀樹 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (20186612)
綿谷 安男 九州大学, 大学院・数理学研究科, 教授 (00175077)
原 卓哉 福岡教育大学, 教育学部, 助教授 (50263984)
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Keywords | 作用素関数 / 直交多項式 / 固有値 / 作用素順序 / 作用素不等式 / majorization |
Research Abstract |
大きな成果を得ることができた。論文はひとつであるが、世界的に著名な雑誌、Journal of Functional Analysisから出版された。成果の内容は3つに分類できる。 その1つは、新しい作用素単調関数を体系的に構築したことである。そのアイデアは、作用素単調関数の逆関数全体の集合を考えたことである。そしてこの集合が大変よい性質を持っていることを示した。たとえば、広義一様位相で閉じていること、関数の積で閉じていること、作用素単調関数をかけても閉じていることを示した。 次に、一般の単調増加関数の間にmajorizationの概念を導入し、それが、二つの多項式の間の古典的なmajorizationの概念の拡張になっていることを示した。このことは、実解のみを持つ多項式、特に直交多項式系に作用素単調の理論を応用できることを意味している。ただ、多項式において、古典的なmajorizationの概念と私の導入したmajorizationが一致するかどうかは分かっていない。現在、行列の固有値に関する研究が盛んになされている。これらの研究に私の導入したmajorizationの概念を応用することが望まれている。 最後に、作用素不等式の統一的な理論-不等式を得たことである。これは、上記の作用素単調関数の逆関数の集合についての結果と、majorizationの概念を使うことによって証明された。この不等式は、日本人によって証明されたほとんどの不等式を含むと共に、新しい具体的な作用素不等式を作ることができる。
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