2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540165
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 昇一 九州大学, 大学院芸術工学研究院, 教授 (70107176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 淳 福岡大学, 理学部, 教授 (50078557)
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Keywords | 非有界作用素 / 調和振動子 / q-生成作用素 / q-正規作用素 / q-正定値 |
Research Abstract |
本研究の目的は、量子群および量子環に密接な関係のあるq-変形調和振動子を規定するq-変形生成作用素のq-正規作用素への拡張およびそれを含む非有界表現を系統的に解析することである。非有界作用素に対する一般化されたBram-Halmosの正定値条件を満たす作用素はformally正規作用素という広いクラスへ拡大されることが知られている。これに対応して「q-正定値」なる概念を導入した。「不変な定義域を持つ作用素が、(定義域に関するある種の条件を満たす)q-formally正規作用素に拡張(より広い空間を含めて)されるならば、その作用素はq-正定値の条件を満たす」ことが容易にわかる。さらに、xx^*-qx^*x=1(ただし、qは1でない正数)で記述されるq-変形調和振動子のq-変形生成作用素x^*(この作用素がxおよびx^*の定義域を不変にする条件の下)が、所謂"q-numbers"の議論によって、q^<-L>正定値条件を満たしている事が示せる。このことを踏まえて、「q-正定値」の条件を満たす作用素とそのq-変形作用素拡大について考察し以下の結果を得た: 『不変な定義域を持つ作用素がq-正定値条件を満たすならば、q-formally正規作用素に拡張(より広い空間を含めて)され、その作用素は上記に述べた定義域に関するある種の条件を満たす(即ち、上記命題の逆が示されたことになる)。』 さらに、通常の正定値条件との関連について次の結果を得た: qを1より大の正数とする。このとき、不変な定義域を持つ作用素が1-正定値(すなわち、通常の非有界作用素に対する正定値)条件を満たせば、その作用素は自動的にq-正定値条件を満たす。
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