2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540165
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 昇一 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 教授 (70107176)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 淳 福岡大学, 理学部, 教授 (50078557)
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Keywords | 非有界作用素 / q-変形作用素 / q-調和振動子 / q-生成作用素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、量子群および量子環に密接な関係のあるq-変形調和振動子について、それを規定するq-変形生成作用素のq-正規拡大に関する研究、および*-環からq-正規作用素を含む非有界表現についての基礎を構築することである。このことに関して本年度は以下のような進展があった。 1.1961年にG.Bargmannによって、R上の2乗可積分空間上の無限回微分可能な急減少関数全体で定義された1次元量子調和振動子に現れる生成作用素が、独立変数を掛ける積作用素にユニタリ同値になることが示された。このことは生成作用素がより広いヒルベルト空間上へ正規拡大されることを意味している。これに関連して、非有界作用素に対する「q-正定値」なる概念の下に、稠密な定義域を持ち、閉化可能な作用素Tについて、その定義域がTおよびT^*で不変で、その定義域上T^*T-qTT^*=1(ただし、qは1でない正数)を満たすq-変形生成作用素Tはq^<-1>-formally正規作用素に拡大されることが昨年度報告の研究実績から得られる。これに関連して、今年度は「q>1のとき、上記の関係式を満たすq-変形生成作用素は標準の(q=1)formally正規作用素に拡大されること」が得られた。この結果は、標準の生成作用素(q=1の場合)が正規作用素拡大をもつことに対する変数q>1への一般化として捉えられることを意味している。2.形式的な関係xx^*=qx^*xに支配された要素xによって生成される代数の非有界表現を考察する際の基礎となるq-正規作用素について、極分解の観点から考察を行い次の事が判明した:即ち、「Tをq-正規とし、簡単のために1対1を仮定する。このとき、Tは標準の正規作用素(この作用素は所謂スペクトル表現を持つ。)とq-ユニタリ作用素の積で表される」。
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