2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540168
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
岩崎 千里 University of Hyogo, 物質理学研究科, 教授 (30028261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楳田 登美男 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (20160319)
保城 寿彦 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (40211544)
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Keywords | 偏微分方程式 / 放物型方程式 / 基本解 / 擬微分作用素 / 幾何学 / 指数定理 |
Research Abstract |
境界のあるリーマン多様体のde Rham complexについての局所的な指数定理の拡張を目指した。 境界のないリーマン多様体上の微分形式の基本解の交代和を一般化した和と、多様体との関係が、Gunther-Schimmingによって示されている。本年度はそれを境界のあるリーマン多様体に拡張することを考察した。これらの研究に於いては初期-境界値問題に対する放物型方程式に対する基本解の漸近形を構成して、その主要部分が多様体の曲率との関係を丁寧に調べる事が重要となる。 境界ない場合には、初期値問題に対する基本解の構成で十分であったが、境界のある場合には多様体の境界多様体に依存する量がどのように基本解の漸近形に反映するのかを調べなければならない。さらに交代和を一般化した和を求めることによりキャンセルする項が出てくるのであるから、本質的には基本解の漸近形の構成には新たな重み付きの計算が要求される。 以上の考察から得られた境界のある多様体に対する拡張された局所的な指数定理を、平成19年8月、アンカラで開催されたISAAC Congressで発表した。さらに同年10月に開催された数理解析研究所での国際研究集会において講演を行った。 研究計画の第2の問題であるフォッカープランク方程式のスペクトルに関する研究を開始した。この方程式は退化した放物型方程式の典型例であり、ある種の退化した放物型方程式の基本解の正確な形が擬微分作用素として得られているので、それを利用して、フォッカープランク方程式のポテンシャルの形が特別な場合に基本解を求めた。さらにそれを利用して、これらは自己共役でない作用素ではあるが、固有値および固有関数も全て求めることができることを示す。ここまでの考察は得られたが、これは退化した放物方程式の基本解を使った非自己共役作用素のスペクトルを考察することに一般化できるであろうと期待できる。
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Research Products
(6 results)