2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540180
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
藤原 英徳 近畿大学, 産業理工学部, 教授 (50108643)
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Keywords | 軌道の方法 / ユニタリ表現 / 誘導表現 / 表現の制限 / 指数型可解リー群 / 冪零リー群 |
Research Abstract |
指数型可解リー群のユニタリ表現および関連する調和解析の研究を海外共同研究者であるフランス・メッス大学のLudwig教授およびチュニジア・スファックス大学のBaklouti教授との共同研究を行った。テーマは主に以下の2つである。まず、G=exp gをリー環gをもつ指数型可解リー群とする。軌道の方法によりf∈g*においてPukanszky条件を満たす分極環h_1,h_2から既約な単項表現π_1,π_2を誘導するとき、これらのユニタリ表現は互いに同値である。そこでそれらの表現間の繋絡作用素を具体的に構成したい。この問題は長年筆者の課題であった。その際問題なのは、式的な候補作用素に現れる積分の収束性であり、そのためにはH_1=exp h_1,H_2=exp h_2とおくとき、それらの積集合H_1H_2がGの閉集合になればよい。我々はこれを示し、以前より考えられていた形式的な繋絡作用素が実際の作用素として意味づけられることが分かった。更にこれらの作用素間の合成公式をMaslov指数の言葉で記述した。現在共著論文を執筆中である。 第2のテーマは冪零リー群G=exp gの既約ユニタリ表現πの連結閉部分群K=exp kへの制限π|_Kに随伴する微分作用素環D_π(G)^Kに関連するものである。πに対応するGの余随伴軌道をΩ(π)で表す。π|_Kが既約表現への分解において有限重複度をもつ場合、多元環D_π(G)^KはΩ(π)上のK-不変多項式環に同型であろうという多項式予想について共同研究を行った。問題はD_π(G)^Kにおける割り算である。この多元環には有限個の元からなる代数的生成系{σ_j}_<1【less than or equal】j【less than or equal】m>が存在し、各σ_jはΩ(π)上のK-不変多項式に対応することが分かる。D_π(G)^Kの一般の元はこれら{σ_j}_<1【less than or equal】j【less than or equal】m>の多項式を係数とする代数関係式を満たす。これらの係数多項式をkerπを法として共通元で割ることが問題であり、現在のところΩ(π)に関する付帯的な条件下でのみ結果が得られている。これらについても現在共著論文を執筆中である。 また、指数型可解リー群の表現論に関する日本語の本を執筆中である。
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