2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540182
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山根 英司 Kwansei Gakuin University, 理工学部, 教授 (80286145)
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Keywords | 偏微分方程式 / 実解析関数 / 複素解析関数 / 非線形シュレーディンガー方程式 |
Research Abstract |
非線型の偏微分方程式について研究した.係数や初期値としては実解析的または複素解析的な関数を考える.一般のm階の方程式について,特異解を組織的に構成する方法を考え出した.偏微分方程式の解であって,t=0での漸近展開の主要項がtの1乗とlog tの積を含むものを構成した.ここで1は方程式の非線型項から決まる指数であって,小林隆夫が定義したものである(小林は1=0,1,2,…m-2の場合を除外した.我々はその除外された場合に興味がある.)上述のような解が存在するであろうということは,偏微分方程式をtに関する常微分方程式の摂動とみなせば判る.つまり,プロトタイプとなる常微分方程式は求積法で解けて,それが上述のタイプの解を持つのである.それを多変数化するには,Fuchsian Reductionと呼ばれる方法を用いる. 次に,ある種の非線形シュレーディンガー方程式について,Clarksonが構成した-1乗の特異性を持つ形式解の族について,その収束を証明した.非線形項に絶対値が含まれるにも関わらず,(通常は絶対値と相性が悪いと思われている)実解析解を構成した.可積分系の技法を生かして,方程式の個性を明らかにすることが出来た. ちょっと傾向の違う研究としては,熱方程式の逆問題を取り上げた.ここでは関数解析を用いたが,複素解析の結果も引用している.
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