2005 Fiscal Year Annual Research Report
群同変性を用いた幾何学的発展方程式の解の安定性の研究
Project/Area Number |
17540188
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
長澤 壯之 埼玉大学, 理学部, 教授 (70202223)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 茂昭 埼玉大学, 理学部, 教授 (90205295)
太田 雅人 埼玉大学, 理学部, 助教授 (00291394)
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
高坂 良史 室蘭工業大学, 工学部, 講師 (00360967)
立川 篤 東京理科大学, 理工学部, 教授 (50188257)
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Keywords | 超曲面の発展方程式 / ウィルモア汎関数 / ヘルフリッヒ変分問題 / 中心多様体 / 分岐理論 / 分岐方程式 / 正則性 |
Research Abstract |
本研究では、超曲面の族に定義される汎関数に対する勾配流を考察した。勾配流は、汎関数の最急傾斜の方向に汎関数値を減らすように対象を変形させるもので、汎関数の臨界点を求める一つの方法である。自然界に現れる曲面の形状は、何らかの意味で安定なものである。安定度を測るものが汎関数である。従って、勾配流の収束先は、エネルギー的に安定なものであると考えられる。 長澤と高坂は、汎関数としてウィルモア汎関数を考えた。この汎関数に、曲面の面積とそれが囲む領域の体積の指定した制限付極値問題は、赤血球の形状を決定するモデルの一つで、ヘルフリッヒ変分問題と呼ばれる。対応する勾配流をヘルフリッヒ流という。簡単な計算で球面が定常解になる事が分かる。ヘルフリッヒ流に関して、1.任意の初期曲面に対する時間局所解の存在と一意性、2.球面に近い初期曲面に対する時間大域解の存在、3.球面近傍の中心多様体の存在と次元の評価を得て、論文として公表した。また、定常問題の解については、軸対称分岐解の存在とその安定性について結果が知られている。長澤は、既約分岐方程式を導き、その解を摂動する事で、軸対称解のみでなく非軸対称解も構成する事が可能となった。この中には、equivariant branching lemmaとして知られる従来知られる方法では構成できない解もある。 勾配流方程式は、偏微分方程式の分類でいえば、放物型になる事が多い。小池は、非線形放物型偏微分方程式やその定常問題に相当する非線形楕円型偏微分方程式に対する最大値原理や比較定理について研究した。太田は、双曲型偏微分方程式で記述される発展方程式の解の安定性について研究した。阪本は、CR構造を持つ多様体(CR多様体)の研究を行い、CR幾何に適したEinstein性を定義し、その性質を調べた。幾何学的変分問題の解は、非線形方程式の弱解であるが、その正則性の有無を調べる事は重要である。立川は、2次の増大度を持つ汎関数に対する停留点の正則性について研究した。
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Research Products
(9 results)