2005 Fiscal Year Annual Research Report
非可換確率空間における独立性の変形と変形フォック空間に関する研究
Project/Area Number |
17540190
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
吉田 裕亮 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (10220667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 裕子 お茶の水女子大学, 理学部, アソシエイトフェロー (10337462)
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Keywords | 非可換確率論 / 作用素環 / 変形量子化 / 量子確率論 / 変形合成積 |
Research Abstract |
本研究では、非可換(量子)確率空間における、新たな変形された独立性の概念の調査が目的である。これは、確率空間の変形量子化を与えることに相当する。本研究での独立性の変形とはモーメント・キュムラント関係式の変形を行うのと等価であると考えることが重要である。また、モーメント・キュムラント関係式はメビウス反転公式より、順序集合の分割統計の理論とも関連が深い。本研究では、このようにして導入された新たな変形独立性を実現するモデルを変形Fock空間で与えることも重要であり、変形合成積の正値性などの議論等もこの変形フォック空間上で解析することが可能である。 本年度は、変形フォック空間上の重要な確率変数であるガウス型確率変数と、そのVick公式を記述する対分割上の分割統計との関連を中心に調査した。特に連結成分数と呼ばれる分割統計と変形ガウス確率変数の関係について調査研究を行った。この連結成分数は、射影子による自由圧縮と呼ばれる手法で実現できることが、ポーランドWroclaw大学のBozejko氏との共同研究により明らかにされた。この結果はポーランド科学アカデミーの学術雑誌に近く掲載の予定である。 この研究に関連して、昨夏欧州で開催された国際会議の出席のためにも、補助金を活用した。また、国内の確率論関係の研究動向の把握には、分担者の矢野が中心に行い、確率論的解析の基礎固めを行った。
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