2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540196
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
柴田 徹太郎 広島大学, 大学院工学研究科, 教授 (90216010)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 広島大学, 大学院理学研究科, 教授 (80033893)
宇佐美 広介 広島大学, 大学院理学研究科, 助教授 (90192509)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
倉田 和浩 首都大学東京, 大学院理工学研究科, 教授 (10186489)
|
Keywords | 楕円型 / 固有値問題 / 漸近挙動 / 非線形 / 変分法 / 関数方程式論 |
Research Abstract |
本年度は常微分方程式論を中心に、特異摂動の方法、変分法により、非線形楕円型方程式の固有値問題の固有値・固有関数の詳細な漸近解析を行った。特に1次元のロジスティック方程式に対して詳細な解析をすることに研究の焦点を絞った。その結果、以下のような結果を得ることに成功した。 (1)1次元のロジスティック方程式に対しては、固有値問題に関する数学的観点から、従来は関数空間として主としてL-2空間における分岐理論は考察されてきた。しかしながらL-q空間における分岐理論はまったく考察されていなかったといっても過言ではない。本来、方程式が生物モデルに由来することから、特にL-1空間での取り扱いは重要である。固有値パラメーターが十分に大きいとき、対応する解の最大値が詳しく計算できることを手がかりとして、解の最大値とL-qノルムを直接比較することにより、L-qノルムの漸近公式を得ることに成功した。ここでは分母に特異点を持つ積分の計算を詳細に計算することに成功したことが成果につながった。 (2)従来のロジスティック方程式の固有値に対するL-2空間における分岐理論では、非線形項がpべきであるものに関してのみ詳細で繊細な漸近公式が得られていた。そのような漸近公式は、ひとたび非線形項を摂動すると、もはや成り立たないことが予想されていた。しかしながら、非線形項の摂動の強弱に応じて、対応する固有値の漸近公式が得られることを証明した。キーポイントは、pべきのときのみに成り立つと思われていた公式が、摂動項をもつ方程式に対しても成り立つことが判明したことである。
|
Research Products
(3 results)