2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540202
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
古谷 賢朗 Tokyo University of Science, 理工学部, 教授 (70112901)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 千里 兵庫県立大学, 大学院・物質理学研究科, 教授 (30028261)
森本 徹 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80025460)
バウアー オルフラム 東京理科大学, 理工学部, 研究員 (80453819)
|
Keywords | spherical space form / lenz space / zeta正則化行列式 / 江上補間方法 / sub-Riemanian structure / Clifford module |
Research Abstract |
(1)レンズ空間を含むいろいろな球空間型のスペクトルゼータ関数のある種のディリクレ級数による表示を与え、この表示をもとにNash-O'Conner氏が3次元レンズ空間に対して与えたそのゼータ正則化行列式の表示公式の類似を、いくつかの高次元レンズ空間及びダイヘドラル群による球空間型の場合に対しても積分表示のかたちで得た。同時にこれらの場合の熱核の漸近展開係数も具体的に計算した。ここでの手法は、球空間型のLaplacianの各固有空間の次元の、池田章氏によって得られているその母関数(有理関数であるが)を用いて一般的な公式を得たことと、合流型超幾何級数と類似の表現を持つ関数に対する江上補間方法と呼ばれる解析接続公式による。またこの量を2通りの方法で計算することにより多重ガンマ関数に関するある公式の別証明を得た。 (2)奇数次元球面は接触構造を持つのでいつもsub-Riemann多様体でもあるが、ほとんどは自明化可能sub-Riemann構造でない。J.Adamsの球面の接束の最大次元の自明部分束の次元公式に従えば、次元が大きくなると自明化可能なsub-Riemann構造を持つものは存在せず、S^1,S^3,S^7,S^<15>,S^<23>,S^<31>に限られることが分かる。S^1,S^3はもちろん具体的によく知られているが、さらにS^7には余次元3のものがあるのを確認した。S^<15>及びS^<31>にも可能性があるが今のところS^<15>にたいしてはある開集合に制限すれば余次元7の自明化可能なsub-Riemann構造が存在することまでは分かったが、これが全体で成り立つかは今後の問題である。
|