2008 Fiscal Year Annual Research Report
画像処理問題に於けるFracture Propagationの解析
Project/Area Number |
17540203
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
山浦 義彦 Nihon University, 文理学部, 教授 (90255597)
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Keywords | 変分収束 / 特異汎関数 / Gradient Flows |
Research Abstract |
微分可能性を持たないエネルギー汎関数に対するエネルギー勾配流についての研究を行いました。特にその手法として,DeGiorgiによって考案されたMinimizing Movement Methodによるgeneralized minimizing movementの構成に焦点を絞って研究を進めました。この手法は時間変数を離散近似するというものですが,研究対象となるエネルギー汎関数に微分不可能な項が含まれるため,エネルギー汎関数に対して直接Minimizing movementを構成しても,もはや得られた解に対する正則性を議論することは困難であると考えられます.そこで特異関数項を滑らかな関数によって近似することでGamma収束近似(変分収束近似)法を併用することで,discrete solutionの段階でEuler-Lagrange方程式ばかりでなく,エネルギー最小性もまた併用することが可能になります.特に主要項がDirichlet積分であらわされる場合にこの手法によって解を構成しそれが空間変数に関して一様リプシッツ連続であり、時間変数に関して一様ヘルダー連続であることまで証明が進んでおります.特に,こうして得られた解が,すでに「方程式近似」の手法によってCaffarelliとVazquezによって得られている近似解と比較して,エネルギー勾配流としての優位性をもつか,という点に着目して計算を進めております.現在では特にエネルギー汎関数に対するslopeを含む積分評価が得られておりますが,slopeの意味が弱く,具体的に得られた評価から「勾配流」の特徴付けができないか研究を進めております.
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