2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540212
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
花輪 知幸 千葉大学, 先進科学研究教育センター, 教授 (50172953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 倫明 法政大学, 人間環境学部, 助教授 (60308004)
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Keywords | 理論天文学 / 星形成 / 数値シミュレーション / 連星 / アクリーション |
Research Abstract |
原始星を代表とする若い星の特徴の1つはガス降着が盛んなことである。このガス降着による質量増加は、主系列段階での質量を確定し、その後の進化を規定する重要な過程である。原始星も多数は連星や多重星の一員であることを考えれば、ガス降着における伴星の役割を考えることは重要であるが、これについての研究は極めて限られてきた。これまでの数値シミュレーションでは、質量が小さいために大きい軌道をもつ伴星が、質量が大きいために小さい軌道をもつ主星より、ガス降着が盛んになっている。もしこのシミュレーションとおりであれば、連星の多くは等質量になる質量比はずである。しかし、実際にはいろいろな質量比の連星が生まれている。私たちは高空間分解の数値シミュレーションにより、連星系でのガス降着は軌道の大きさだけから判断できるほど簡単でないことを指摘してきた。確かにガスは質量の軽い星の近くを通過するが、直接は降着せず、連星系の中をめぐる。本研究課題では高い精度の数値シミュレーションにより、連星系を取り巻くガス円盤(=周連星円盤)から主星と伴星を取り巻く星周円盤へのガスの流れを再現し、個々の星の質量降着率を求めることを主目的としている。本年度のシミュレーションからは、周連星円盤から連星系への流れが準周期的に変化するという新しい現象が見つかった。この準周期的な振動は、複数対の渦状衝撃波が連星の公転により励起されるためであることも、確認された。この振動のために、主星および伴星へのガス降着率も振動する。これらの成果については学会で口頭発表を行った。学術雑誌にも投稿したが、まだ掲載決定の通知は受けていない。
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Research Products
(6 results)