2005 Fiscal Year Annual Research Report
低温天体(褐色矮星及び赤色巨星)における分子及びダストの雲形成過程の分光学的研究
Project/Area Number |
17540213
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
辻 隆 東京大学, 大学院・理学系研究科, 名誉教授 (20011546)
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Keywords | 超巨星 / 外層構造 / 赤外スペクトル / 光球 / 分子光球 / 視線速度 / 動力学特性 / FTS |
Research Abstract |
先に、ISO、Stratoscopeなどによる赤外スペクトルの解析から、赤色超巨星の外層には、光球、彩層、膨張ガス-ダスト雲以外に、第4の構成要素として、温度が1000-2000Kの"暖かい分子層"が存在することを示したが、この結果は、最近の空間高分解能観測からも支持されている。このような光球外の分子領域-簡単のため分子光球またはMolsphereと呼ぶことにする-の存在はようやく認められつつあるが、次の問題はその構造、特に動力学的構造を解明することである。この目的のため、M型超巨星Betelgeuse(α Ori; M2Iab)について、最近の光球モデルや基礎的物理量の改定なども考慮して、KPNO FTSスペクトルの再解析を行った。まず、COスペクトルの光球成分の解析から、化学組成、ミクロ乱流速度などの改定を行った。この結果に基き分子光球成分を分離し、分子光球の励起温度、柱密度を決定した。また、視線速度、特に分子光球の寄与が異なる低励起と高励起のCOスペクトル線の時間変動の解析を行った。その結果、分子光球は光球に対して数km/secの相対速度を示すが、時間的に流入と流出が交代していることが明らかとなった。このことは、分子光球が衝撃波による加熱、圧縮によるとするモデルは支持されないことを示している。
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Research Products
(3 results)