2005 Fiscal Year Annual Research Report
電子散乱による少数核子系の研究(相対論的効果,中間子交換電流,クォークの寄与)
Project/Area Number |
17540229
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉江 忠明 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10124174)
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Keywords | (e,e'p)反応 / 相対論的歪曲波衝撃近似 / 中間子交換電流 / 仮想光子コンプトン散乱 / 陽子の分極率 / ラムシフト型偏極度計 / 内部標的電子散乱実験 / 偏極重陽子標的 |
Research Abstract |
1.^<40>Ca(e,e'p)反応の研究を完成させ,日米合同物理学会(ハワイ)で発表するとともに,Research Report of Laboratory of Nuclear Scienceで公表した.この研究では,(e,e'p)反応断面積を相対論的歪曲波衝撃近似の理論計算と比較し,中間子交換電流の寄与を議論した.中間子交換電流の寄与は,以前行なった^<12>Cや^<16>Oに比べて小さなことが分かった. 2.マサチューセッツ工科大学で行った「陽子における仮想光子コンプトン散乱」のデータ解析を行ない,その結果を日米合同物理学会(ハワイ)で発表した.この研究では,陽子の分極度の移行運動量依存性が測定され,陽子の分極距離が核子半径よりはるかに長いことが分かった. 3.ラムシフト型偏極度計を完成させ,その性能を評価した.この偏極度計により,重陽子の基底状態の3つの磁気量子数状態の割合を直接測定した.結果は,偏極国際ワークショップ「PST05」で発表するとともに.Research Report of Laboratory of Nuclear Scienceで公表した.今後は,偏極度計の性能向上を図るとともに,偏極重陽子標的の開発を行ない,その偏極度を測定する. 4.京都大学の電子蓄積リングを用いて,内部標的電子散乱実験のテスト実験を行なった.この内部標的は,蓄積リングに蓄積されている電子ビームの作る静電的な引力を利用して,正イオン状態の原子をトラップし,電子散乱実験用の標的とするものである.トラップの様子は制動輻射ガンマ線を測定することにより評価した.また,反跳核測定用の検出器の開発を行なった.結果は,「加速器」で公表した.
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