2006 Fiscal Year Annual Research Report
電子散乱による少数核子系の研究(相対論的効果,中間子交換電流,クォークの寄与)
Project/Area Number |
17540229
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
玉江 忠明 東北大学, 大学院理学研究科, 助教授 (10124174)
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Keywords | 陽子の分極率 / 仮想コンプトン散乱 / 低エネルギー展開 / 分散関係式 / 内部標的電子散乱 / イオントラップ / ワイヤーターゲット |
Research Abstract |
1.マサチューセッツ工科大学(MIT-Bates)で行った「陽子における仮想光子コンプトン散乱」のデータ解析を行ない,その結果をPhysical Review Lettersで公表するとともに,日本物理学会(東京)で発表した.また,マサチューセッツ工科大学で開催されたワークショップ「Hadronic and Electroweak Physics at MIT」に参加して情報の交換を行なった.この研究の結果,以下の事が明らかになった. 1-1.MIT-Batesで行なった四元移行運動量Q^2=0.33(GeV/c)^2における陽子の分極率は,低エネルギー展開(LEX)による解析と分散関係式(DR)による解析で大きく異なる.これは,より大きな移行運動量領域では見られなかった事である. 1-2.分散関係式による解析で求めたダイポール型パラメターΛは,MITの結果とJLabの結果に矛盾がないが,Maintz大学の結果は大きく異なる. 2.京都大学の電子蓄積リングを用いて,内部標的電子散乱実験のテスト実験を行なった.この内部標的は,蓄積リングに蓄積されている電子ビームの作る静電的な引力を利用して,正イオン状態の原子をトラップし,電子散乱実験用の標的とするものである.トラップの様子はイオンを引き出してイオン質量分析系で評価し,実際にイオンがトラップされている事を確認した.また,リングにワイヤーターゲットを入れて散乱電子を利用して電子検出系の性能を評価した.
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