2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540237
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Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
坂井 典佑 Tokyo Woman's Christian University, 文理学部, 教授 (80108448)
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Keywords | 超対称性 / ソリトン / ドメーン・ウォール / 非アーベルゲージ理論 / 余剰次元 / ヒッグス相 / モジュライ / BPS状態 |
Research Abstract |
本年度は、超対称性を持つゲージ理論を用いて、ヒッグス相のソリトンの研究を行った。高次元時空に適用できるように、8個の超対称性を持つ場の量子論を用いたので、余剰次元模型への応用が可能である。さらに、ソリトンの中でも,主にドメーン・ウォールを用いた余剰次元模型を考察し、そこでの、超対称性の破れを検討した。非摂動論的効果の理解にも役立つように、ソリトン解の持つパラメター、すなわちモジュライを完全に知ることと、それを用いたソリトンの性質の探求を主要課題とした。主として超対称なU(N)ゲージ理論を取り上げ、そのヒッグス相でのソリトンを系統的に構成し、解のモジュライ空間を決定する方法を与えた。我々はソリトン解のパラメターをすべて含むモジュライ行列という概念を提唱した.我々の取り上げたU(N)ゲージ理論では、ドメーン・ウォールのモジュライ空間は全体として複素グラスマン多様体となる.ボーテックスに対しても、同様の方法で一般的にモジュライ空間を構成できた.これに対して,磁気単極子やインスタントンは磁束の源となる。そのため、ヒッグス相では単体では存在できず、磁束の渦糸を伴う.結果として,これらの複合ソリトンは超対称性を1/4だけ保存する.このような1/4BPS複合ソリトンについても、モジュライ行列を用いて、モジュライをすべて数え上げることができる.このうち、平行でないドメーン・ウォールが共存してネットワークを形成する系について、そのモジュライ空間の計量を求め,それを用いて力学を論じた.ボーテックスの性質についても考察した。
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