2005 Fiscal Year Annual Research Report
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17540240
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
中村 正吾 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50212098)
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Keywords | 液体キセノン / 屈折率 / シンチレータ / 真空紫外 / エキシマ光源 / 波長依存性 / 密度依存性 / 精密測定 |
Research Abstract |
本研究は,従来に独自開発した実験装置を発展させ,液体キセノンのシンチレーションの紫外線に対する屈折率を誤差0.01以下という実用上十分な精度で決定することを目的として開始した。 平成17年度は,実験装置の改良と徹底した校正を行ない,初期のデータを取得した。 実験装置の改良は,主に次のことを行った。 ・新しい真空紫外分光器の導入(本研究費で購入) ・高精度な白金温度センサの導入 ・エキシマ光源(KrCl:222nm, XeCl:308nm)の導入 また,装置の徹底した校正を次のように行った。 ・低圧Hg光源の輝線を用いた分光器の設定波長の校正 ・デジタル圧力計の校正 ・三次元形状測定装置による光学系構成部品の形状の測定 ・NaのD線で屈折率が1.36〜1.74である種々の有機液体の屈折率の測定による系全体の校正 これらに基づき,真空紫外域から可視光域までの種々の光源(複数のエキシマ光源(Xe, KrCl, XeCl),殺菌灯,ブラックライト,Naランプ等)を用いて,圧力が10^5Paの気液平衡状態で液体キセノンの屈折率を測定した。また,シンチレーションの発光波長域内では,圧力が0.9×10^5Pa,1.2×10^5Paの気液平衡状態でも屈折率を測定した。 結果として,シンチレーションの真空紫外域から可視光域までの広い範囲で液体キセノンの屈折率を誤差0.007という当初の目標を上回る高い精度で測定し,波長の関数として1.38〜1.71の範囲で変化していることを確認した。また,液体キセノンの状態の違いによる屈折率の変化も確認し,密度の変化で説明できることを示した。
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