2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540247
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
鈴木 敏男 福井大学, 工学研究科, 教授 (80115865)
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Keywords | 原子核の相対論的模型 / ガモフ・テラー和則 / 反核子の自由度 |
Research Abstract |
現在、原子核をよく記述する模型として、従来の核子問相互作用を仮定し、非相対論的多体系とするものの他に、原子核を中間子と核子からなる相対論的多体系とするものがあり、原子核研究のみならず、星の研究等にも広く使われている。しかし、そこには基本的な問題がある。すなわち、現在の相対論的模型は、その本質とも言える反核子の自由度を無視して構築されていることである。原子核模型は現象論的模型であるために、一般に、実験との比較によりその妥当性を議論することは困難である。本研究では、相対論的模型における反核子の役割を明らかにするために、模型によらない和則に着目した。平成17年度は、Gamow-Teller和則を議論することによって、原子核を相対論的模型で記述するには、反核子の自由度を無視することはできないことを明確にし、同時に、反核子の自由度のために、ベータ遷移に対する原子核の応答関数には、多体系固有の発散が生じ、繰り込みをしなければならないことを示し、繰り込む手法の開発を行った。これを受けて、平成18年度は、Gamow-Teller和則やベータ遷移の応答関数における反核子の役割が、他の和則、他の応答関数においても現れるかどうかを調べた。その結果、一般的な結論を得るまでには至らなかったが、原子核の基本的な励起状態である、ある種の巨大共鳴状態に関する応答関数の相対論的記述においても、反核子の自由度が本質的な役割を果たす場合があり、無視することはできないことを突き止めた。これらの研究結果は、専門誌の招待論文としてまとめられたが、より一般的な研究は、これからも継続して行われる。
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Research Products
(5 results)