2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540257
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
細谷 裕 大阪大学, 理学研究科, 教授 (50324744)
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Keywords | 素粒子論 / 素粒子実験 / ゲージ・ヒッグス統合 |
Research Abstract |
申請者の細谷が20年前に出したゲージ場とHiggs場を高次元ゲージ理論のなかで統一し、量子効果により対称性を破る機構(Gauge-Higgs unification,細谷メカニズム)を電弱相互作用に適用した。Higgs場はゲージ場の一部になり、Higgs場の相互作用はゲージ原理によって決められる。今まで、平坦な時空上でこのゲージ・ヒッス統合が試みられてきたが、ヒッグス粒子の質量が小さくなりすぎたり、またKaluza-Klein励起のエネルギースケールが小さくなりすぎる欠点があった。この困難が曲がった時空であるRandall-Sundrum時空上で統一することにより、自然に解決されることを示した。実際、ヒッグス粒子の質量が120Gevから290Gevになること、Kaluza-Klein励起のエネルギースケールが1.5TeVから3.5TeVになることを示した。さらに、クォークレプトンの波動関数も質量とWilson line phaseの関数として決定し、それを用い、弱い相互作用の普遍性がわずかに破れること、重い粒子ほど普遍性の破れが大きくなること、しかし、今のところ実験の誤差の範囲内で、実験と矛盾しないこと、そして、クオークレプトンとヒッグス粒子の結合定数(湯川定数)が標準理論に比べてかなり小さくなることをしめした。これらのことは、近い将来、LHCでの実験などにより検証されることが望まれる。また、クォークレプトンの質量の起源についても、Kaluza-Klein励起との混合という新しい見地が確立された。
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Research Products
(1 results)