2005 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星および地上観測によるガンマ線バースト・X線フラッシュの研究
Project/Area Number |
17540261
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岸 邦夫 宮崎大学, 総合情報処理センター, 教授 (80041060)
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 総合情報処理センター, 助手 (30301443)
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Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 地上観測 / 人工衛星 / X線観測 / 可視光測 / 残光 |
Research Abstract |
HETE2衛星は今年度33個のガンマ線バーストを捉えた。その中で7月9日に検出したバーストは継続時間が400msよりも短く、スペクトルのピークエネルギーが840keVであること、およびロングバーストの典型的なものと比較して等方的に放射しているとみなしたときの全放射エネルギーと光度がそれぞれ約3桁および約2桁低いことから、ショートバーストであることがわかった。HETE2衛星よりこのバーストの発見情報がGCNを通して速報されたことを受け、ショートバーストに対して初めての可視光残光の発見と、2005年5月9日に発生したバーストに次いで2例目となるX線残光の検出につながった。これらの残光観測の結果から、母銀河はz=0.16の晩期型渦巻銀河であるということが初めて確実になり、このバーストは母銀河の中心部から離れた場所で起こったことが解った。現在、ショートバーストの起源は中性子星の合体であるとするモデルが提唱されており、我々は7月9日に発生したショートバーストが、このモデルで矛盾なく説明できる事を確認した。 残光観測については、宮崎大学において可視光残光の観測を継続しており、HETE2衛星に加え、今年度からSwift衛星からの情報にも自動で観測を開始できるように整備し、25個のバーストについて追観測を行うことができた。そのうち24個については検出限界以下であったが1個については減光中の等級を決定することができた。またX線についても昨年7月に打ち上げられた日本のX線天文衛星「すざく」と連携をとり、2006年1月5日にSwift衛星が発見したバーストに対し、発生から5時間半という記録的な早さでX線残光の観測を開始することができた。この観測はこれまでに無く広いエネルギー範囲をカバーしており、現在詳細な解析を行っている。
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Research Products
(4 results)