2006 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星および地上観測によるガンマ線バースト・X線フラッシュの研究
Project/Area Number |
17540261
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 宮崎大学, 工学部, 助教授 (80264365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 総合情報処理センター, 助手 (30301443)
|
Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 地上観測 / 人工衛星 / X線観測 / 可視光観測 / 残光 |
Research Abstract |
HETE2衛星は、打ち上げからこれまでに3例のショートバーストと26例のX線フラッシュを含む95例のガンマ線バーストの位置決定に成功し、その内の34例については残光の観測へと結び付けることができた。さらにその内の22例では残光の観測から距離を決定することもできた。本年度はこれらHETE2衛星によるバーストの観測データを解析することで、X線フラッシュと分類されているバーストには、ソフトなスペクトルを持つガンマ線バーストが遠方に位置するために、赤方偏移によりX線フラッシュと分類されるものと、本質的にX線放射が多いX線フラッシュの2種類が存在し、起源が異なる可能性のあることを見出した。また、可視光残光が観測されずダークバーストと呼ばれているバーストの中には、その外部ショック領域の外側にダストが存在し、そのダストによる吸収が原因で可視光が観測されないものもあることを見出した。 さらに昨年度末にSwift衛星による発見の報告をもとに「すざく」衛星で観測したガンマ線バーストのX線残光では、ジェットによって生じると考えられる光度曲線上の折れ曲りが、これまでの観測の中で最も早い時間に観測され、ジェットの開き角が1度程度以下であることがわかった。 以上のような衛星による観測のほかに、宮崎大学においてガンマ線バーストの可視光残光を観測しており、今年度はSwift衛星からの情報に即応し、10個のバーストについて残光光度の上限値を見積ることができた。また、フィルター観測のための基礎データを取得し、来年度以降の観測に備えた。
|
Research Products
(6 results)