2007 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星および地上観測によるガンマ線バースト・X線フラッシュの研究
Project/Area Number |
17540261
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (80264365)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 情報戦略室, 助教 (30301443)
|
Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 地上観測 / 人工衛星 / X線観測 / 可視光観測 / 残光 |
Research Abstract |
これまでに人工衛星によって観測されたガンマ線バーストのデータ解析では、HETE-2衛星が2004年9月に観測したX線フラッシュの早期X線残光には閃光放射の一部であると考えられる増光が見られ、中心エンジンが長時間にわたり活動していることで説明できることを見いだした。また、Swift衛星が2006年9月に検出したガンマ線バーストのX線残光を「すざく」衛星搭載のXIS検出器で追観測したデータでは、閃光放射の末期とX線フレアの減衰期の両方でスペクトルの急激な軟化が見られたにもかかわらず、X線残光の部分では多くのガンマ線バーストに典型的なスペクトルを保っていた。このことから内部衝撃波では電子加速が十分に行なわれなかったこと、および閃光放射の末期と残光放射では、それぞれの放射の起源が全く異なることが分かった。 本年度は残光だけでなく「すざく」衛星のWAM検出器を用いた閃光放射の観測も行ない、1年間に212例のガンマ線バーストを検出することができた。これらのデータ解析は順次進めていくが、これまでの解析で、ロングガンマ線バーストはAmatiが提唱した関係に従うのに対し、ショートガンマ線バーストはその関係には従わないこと、および、ガンマ線バーストの強度変動に対応してピークエネルギーが変化することを見いだした。 ガンマ線バーストの可視光残光観測については、本年度にSwift衛星が検出したガンマ線バーストのうち、宮崎大学で観測可能なものは5例であり、全てについて光度の上限値を測定し、ガンマ線バーストの世界的なネットワークに報告することができた。
|