2008 Fiscal Year Annual Research Report
人工衛星および地上観測によるガンマ線バースト・X線フラッシュの研究
Project/Area Number |
17540261
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
山内 誠 University of Miyazaki, 工学部, 准教授 (80264365)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廿日出 勇 宮崎大学, 工学部, 教授 (30221500)
松澤 英之 宮崎大学, 情報戦略室, 助教 (30301443)
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Keywords | 国際情報交換 / トランジェント天体 / ガンマ線バースト / 地上観測 / 人工衛星 / X線観測 / 可視光観測 / 残光 |
Research Abstract |
HETE-2衛星によってこれまでに観測されたガンマ線バーストで、スペクトルのピークエネルギーの低いものはX線フラッシュが多いこと、および、全放射エネルギーが10^52erg以上のものの殆どは古典的バーストに、10^50〜10^51ergのものはX線フラッシュに分類されることがわかった。また、ガンマ線バーストやX線フラッシュの出現率はlb型やlc型超新星の出現率に比べてずっと少ないことから、lb型やlc型超新星がガンマ線バーストやX線フラッシュとして観測されるには、何らかの特別な性質を持つ必要のあることがわかった。 「すざく」衛星では、バースト中のパルスの立ち上がり時期と減衰時期ではスペクトルのピークエネルギーと強度との相関に違いを示すガンマ線バーストが見つかり、パルスの位相によって爆発による噴出物の速度、もしくは放射領域が異なることがわかった。また、パルスの減衰時期にMeV領域の放射が急激に減衰するものも見つかったが、このような振る舞いを示すメカニズムについてはまだはっきりしていない。さらに「すざく」衛星で観測されたショートバーストとロングバーストでは、スペクトルパラメーターの分布、硬度比、スペクトルラグ、全放射エネルギー、スペクトルのピークエネルギーに関係する相関などが完全に異なっており、バースト前の天体や噴出物の速度が異なっていることがわかった。 本年度の可視光残光観測については、Swift衛星が検出したガンマ線バーストのうち、宮崎大学で観測可能であったものは4例であり、全てについて光度の上限値を測定し、ガンマ線バーストの世界的なネットワークに報告した。また、口径50cm望遠鏡駆動システムを改良し、今後、可視光残光の観測例を増やすとともに、フィルターを用いた詳細観測を行なうための準備を整えた。
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Research Products
(13 results)