2008 Fiscal Year Annual Research Report
バリオン間二体相互作用の統一的模型構築に関する研究
Project/Area Number |
17540272
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
永田 純一 Hiroshima University, 入学センター, 准教授 (70330959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉野 浩生 広島国際大学, 保健医療学部, 准教授 (90309683)
室谷 心 松本大学, 総合経営学部, 教授 (70239557)
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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Keywords | 理論核物理 / 素粒子論 / 計算物理 |
Research Abstract |
平成20年度は,3人の共同研究者を加えることにより,これまでの研究をさらに発展させ,また得られた結果に対する検討を深めることを目指した。これまでに得られているπK散乱の計算結果は,先行研究がなく他の研究との比較が不可能である。そこで,数値計算ではないモデル計算や他の手法による予測値との比較検討を行った。その結果,I=1/2チャンネルについては,我々の結果はこれら予測値とは異なる振る舞いを示している。そこで,結果に至るプロセスの再検討を行い,異なる要因を探ることとした。その結果,π質量を自然界の値に近づける途中の段階において,その振る舞いは異なっていた。この範囲での計算は,計算時間の不足から大規模数値計算がなされておらず,明確な結論を得るために,今後,得られていない範囲での大規模数値計算の実行が期待されている。一方,他の散乱プロセスにおける散乱長を求めるプログラムの改良のために,計算コードの変更を検討した。ここでも,計算に必要な時間の確保と同時に,コードの最適化が必要である。今年度は,9月に日本物理学会での発表,2月に科学研究費補助金「特定研究」の関連する研究会において招待講演を行った。また,関連する原子核理論分野の研究者と研究会を開催し,クォークの自由度における研究領域と,ハドロンの自由度における研究領域との接点について議論し,今後の研究方針を明確にした。現在,これまでに得られている計算結果とその分析に関して,米国物理学会の学会誌へ論文を投稿中である。
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