2007 Fiscal Year Annual Research Report
超対称模型散乱振幅自動生成プログラムの作製とコライダー物理への応用
Project/Area Number |
17540281
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 薫 High Energy Accelerator Research Organization, 素粒子原子核研究所, 教授 (50189461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神前 純一 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 講師 (60169787)
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Keywords | 散乱振幅の自動生成 / MadGraph / HELAS / 超対称性 / 素粒子模型 / LHC / リニアコライダー / スピン |
Research Abstract |
本研究の目的は、最高速の散乱振幅自動生成プログラム MadGraphを超対称性を持つ素粒子模型に対応可能なプログラムに発展させ、LHCと将来のリニアコライダーの物理に応用することである。 上記の第一目標であった超対称性標準模型版の散乱振幅自動生成プログラムは、前年度に、SuperMadGraphとして完成し、本年度の研究の主軸は、この新しいプログラムを用いて、LHCと将来のリニアコライダーでの超対称性粒子探索の物理を検討することであった。 まず、LHCの物理については、超対称性粒子対が生成され、それぞれがカスケード的に崩壊する過程の最後に、タウレプトンが現れる場合に、超対称性のシグナルを得ることができることを示した(発表論文1)。終状態にタウレプトンが現れるシナリオは、宇宙の暗黒物質が超対称性粒子である場合に予想されるので、我々のプログラムを有効利用することによって、LHCで暗黒物質を同定する可能性を示す研究である。 次に、将来のリニアコライダー実験で、観測可能な崩壊粒子の分布を用いて、対生成された超対称性粒子のスピンを同定することが可能であることを示した(発表論文2)。新粒子のスピンの同定こそが、超対称性の検証の鍵であり、この研究も高く評価されている。 本研究によって完成した新プログラムSuperMadGraphの成功は、LHCに於ける新しい物理の効果を散乱振幅目動生成プログラムを用いてシミュレートする、という大きな潮流の先駆となった。
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Research Products
(2 results)