2005 Fiscal Year Annual Research Report
リニアコライダーを用いたヒグス粒子精密測定と質量起源の探究
Project/Area Number |
17540283
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
石川 正 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 計算科学センター, 助教授 (90184481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤本 順平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (90202291)
栗原 良将 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
加藤 潔 工学院大学, 工学部, 教授 (50152707)
山下 了 東京大学, 素粒子物理国際研究センター, 助教授 (60272465)
安井 良彰 東京経営短期大学, 経営情報学科, 助手 (50389839)
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Keywords | リニアコライダー / ヒグス粒子 / 高次補正 / 高精度計算 / 超対称性理論 / シミュレーション / アルゴリズム / 国際貢献 |
Research Abstract |
この研究ではLCにおけるヒグス物理の精密測定を実現するため、ヒグス粒子解析のベーシック・プラットフォームとなる解析ツールの開発を行うとともに、この解析ツールを用いたシミュレーション解析を通して、LCを用いてどこまでヒグス物理の精密測定が出来るか検証を行うのが主たる目的である。 (1)日本で開発されてきたファインマン振幅自動計算システム(GRACE)のアルゴリズムが改良され,グラフ間を最適化して計算できるようになり,終状態6体の多重フェルミオン生成過程を完全計算するための全ファインマン振幅を生成することができた。効率のよいジェネレータとするには運動学写像の研究について行い、バックグラウンドとして重要なニュートリノペア+ダブルBクォークペア生成(終状態6体)の計算を遂行し、途中経過を国際ワークショップ(LCWS06)で発表していた。またこれまでのヒグス自己結合をみるための終状態4体のニュートリノペア+ダブル・ヒグス粒子生成における1ループ計算の計算も遂行してきており、LCのエネルギーフロンテア領域においてはこのような高次補正の理論計算が必要であることを示している。 (2)超対照性理論におけるヒグス粒子の探索もLCにおいて重要である。GRACEシステムでは自己検査可能な1ループシステムが完成し、国際ワークショップ(RADCOR05)で発表した。 (3)LCのようなエネルギーフロンティア領域では、高次補正の理論計算が必要であるが、その理論シミュレーションを行うためには、高精度の計算が要求されることがわかってきている。これは極めて複雑なループ積分や運動学写像の理論式を高精度で計算する必要がある。このためGRACEシステムにおける高精度計算(4倍精度等)についてその問題を提起し、国際ワークショップ(ACAT05)で発表した。
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Research Products
(3 results)