2005 Fiscal Year Annual Research Report
ファイバー形状エアロジェルを用いた新しい検出器の開発
Project/Area Number |
17540284
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
足立 一郎 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (00249898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西田 昌平 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (20370075)
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Keywords | エアロゲル / 光検出器 |
Research Abstract |
(1)エアロゲルの試作とその条件の最適化について アルコゲルを溶媒の比率を変化させ、試作することによって透明度の向上を試みた。これについては屈折率1.05で、400nmの波長で透過長40mm以上という大きな改善がみられた。また、屈折率について1.05だけでなく、1.045-1.065の範囲での条件最適化を実施し、この屈折率の範囲で透過長35-45mmという、従来と比べ約2倍近い向上を見た。これらをビームテストで試験し、発生するチェレンコフ光の量を測定し、透明度向上とチェレンコフ光の増加の確認を行った。実験結果から、従来とくらべ、測定できたチェレンコフ光の量がほぼ倍になっていることがわかった。ファイバー形状については、今回のサンプルをウオータージェット装置で切断試験を行った。これによって、透明度を大きく劣化することなく、ほぼ問題なく切断することが確認できた。これによって、今後サンプルを最初からファイバー形状にする必要はなく、任意のサンプルからウオータージェット装置を用いて、成形できる可能性が十分にあることが検証できた。更に、ウオータージェット装置で切断したサンプルもビームテストで試験し、透明度が劣化していないことの確認を実施した。また、切断面が光量の劣化につながっているかどうかのデータも収集した。特に切断面での反射などからチェレンコフ光が散乱され、光量が減少することが考えられる。また、実機として製作する場合、検出器を並べた場合の隙間の効果を、このデータによって得る事ができる。現在のところ、切断面近くでは光量が約50%減少することがわかっている。詳細については解析が進行中である。 (2)シミュレーションによる形状決定について 現在、シミュレーションのプログラムを試験中である。簡単な検出器形状を入力し、その反応をまず確かめ、その後本来の形状を用いて、形状を決定する予定である。
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Research Products
(1 results)