2007 Fiscal Year Annual Research Report
分子動力学法による貴金属ハライドにおける輸送現象とポテンシャルの決定-超イオン導電体及びイオン性液体の研究-
Project/Area Number |
17540304
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
松永 茂樹 Nagaoka National College of Technology, 一般教育科, 教授 (70321411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下條 冬樹 国立大学法人熊本大学, 理学部, 准教授 (60253027)
新井 好司 独立行政法人国立高等専門学校機構長岡工業高等専門学校, 一般教育科, 准教授 (20374738)
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Keywords | 分子動力学 / シミュレーション / 非等価溶融塩 / イオン伝導度 / 溶融塩3元系 / 二体ポテンシャル / 融解前駆現象 / 誘電遮蔽 |
Research Abstract |
イオン性液体中のイオンの伝導度などの輸送現象の基礎的な研究は、燃料電池や電力貯蔵用のバッテリーの開発にとって有益であると考えられる。我々のこれまでの研究で、等価溶融塩2元系のイオン伝導度の比はそれぞれのイオンの質量の逆比に等しいすなわち、イオン伝導度の間にσ+/σ-=m-/m+の関係が成り立っているということがシミュレーションによって見出されている。また、溶融塩3元系中のイオン伝導度の比も温度にかかわらず一定となることを分子シミュレーションによって確かめられた。これまでの研究を踏まえて、溶融塩中のイオン間相互を調べるため、等価溶融塩2元系および3元系(偽二元系)であるAgI-AgBr系について、誘電遮蔽の理論および分子動力学法によるシミュレーションによる研究を行い、溶融塩のイオンに対する遮蔽された有効二体ポテンシャルを求めた。また、融解前のイオン中の液滴生成に基づく理論および分子シミュレーションによって、貴金属ハライドとアルカリハライドの融解前駆現象の差異について研究した。さらに第一原理計算を用いて、AgBrの融解前の異常な膨張が陽イオンの欠陥生成に基づくものであることを示した。
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