2005 Fiscal Year Annual Research Report
高圧下における希土類プニクタイドのf電子の局在-非局在転移と物性異常
Project/Area Number |
17540310
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Research Institution | Muroran Institute of Technology |
Principal Investigator |
城谷 一民 室蘭工業大学, 工学部, 教授 (90110692)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 圭生 室蘭工業大学, 工学部, 助手 (70352060)
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Keywords | 高圧力 / 相転移 / 粉末X線回折 / 放射光 / 希土類プニクタイド |
Research Abstract |
NaCl型構造を持つ希土類プニクタイド(LnX : Ln=希土類、X=P, As, Sb, Bi)は少数キャリヤー系の近藤化合物として注目されている。またこれらの化合物は圧力誘起相転移を示し、結晶化学的にも興味深い存在である。我々はLnP, LnAs, LnSbの高圧下における相転移を系統的に研究し、多くの成果を上げてきた。特にLnSbに高圧下で特異な振る舞いをみせる。Ln=La, Ce, Pr, Ndの化合物は高圧下でNaCl型構造から正方晶(歪んだCsCl型構造)に相転移し、Ln=Sm, Gd, Tbの高圧相は未知であるが、Ln=Dy, Ho, Tm, Yb, Luでは高圧下でNaCl-CsCl転移を示す。LnBi化合物は合成が難しいため構造や物性はほとんど調べられていない。しかし、CeBiやSmBiでは構造変化を伴わない圧力誘起局在-非局在転移の可能性が示唆されている。我々は放射光を用いてLnBiの粉末X線回折を高圧下で調べ、局在-非局在転移や構造相転移を詳しく研究した。ここでは比較的純度の高いSmBiの圧力誘起相転移について述べる。SmBiは高圧下でNaCl型構造を保つが、16Gpa付近で新しい回折線が表れる。21GPa付近で単一の高圧相になるので、正方晶系で指数付けできた。我々はすでにSmP, SmAs, SmSbの圧力誘起相転移は研究しているが、SmPとSmSbの高圧相の構造はまだ未決定である。しかし、SmAsでは正方晶になるので、SmBiの高圧相と同形であることがわかった。またSmBiは2.5GPa付近で構造不変の体積減少があると報告されているが、このような体積減少は存在しないことも発見した。他のLnBiでも圧力誘起相転移を見出している。
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Research Products
(7 results)