2006 Fiscal Year Annual Research Report
反強四重極子秩序状態における増強核磁気モーメントの秩序化に関する研究
Project/Area Number |
17540321
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
阿部 聡 金沢大学, 自然科学研究科, 講師 (60251914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 宏一 金沢大学, 自然科学研究科, 助教授 (10219496)
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Keywords | 反強四極子秩序 / 増強核磁性 / 核磁気秩序 / 超低温 |
Research Abstract |
PrPb_3の反強四重極子秩序状態における増強核磁性秩序の磁気・スピン構造の解明を行うために,本年度はSQUID素子を用いない多試料交流帯磁率同時測定装置の製作と性能評価,および核断熱消磁冷却温度領域での中性子回折実験計画の準備を中心に行った。 これまでに磁場範囲0〜6.21mT,磁場方向[100]および[110],最低温度1mKでの磁化測定により,PrPb_3は0.4K以下の反強四極子秩序状態において^<141>Prの核磁気モーメントが反強磁性秩序状態に転移すること,常磁性状態および反強磁性転移温度は磁気異方性を示さないが,反強磁性秩序での磁気異方性および帯磁率の磁場依存性の存在を初めて明らかにした。 PrPb_3の核磁気秩序状態の研究を進めるために開発したSQUIDを用いない多試料交流測定装置は,試料コイル4ヶ,補償コイル1ヶの計5ヶの2次コイルと,交流磁場用1次コイル,・静磁場印加ソレノイド,およびニオブ・ミューメタルの磁気シールドから構成し,同時に複数の試料の帯磁率を測定可能である。本年度は,前年度までに整備した大型希釈冷凍機に多試料交流測定装置を設置し,最低温度5mK,磁場10mTで分解能10nHで測定可能であることを確認した。次年度以降にさらに核断熱消磁冷却により1mK以下の温度領域で性能評価を行い,PrPb_3の磁気異方性測定を行う。 一方,核磁気秩序状態での核スピン構造の解明には中性子回折による直接測定が極めて有力な手段であり,日本原子力研究開発機構の目時グループと協力し,核断熱消磁冷却温度領域での中性子回折実験を行うこととした。このため,本年度は核断熱消磁の予冷に用いる既設希釈冷凍機の改造,温度計の製作,核ステージの設計等を行い,現在これらの装置の製作を行っている。
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Research Products
(1 results)