2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
杉山 清寛 大阪大学, 理学研究科, 助教授 (00187676)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 大 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30359541)
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Keywords | 強磁場 / 超ウラン化合物 / ネプツニウム / 磁化測定 / 強相関電子系 / メタ磁性 / 磁気異方性 / 四極子相互作用 |
Research Abstract |
本年度は今までのNpRhGa_5のさらなる精密な強磁場磁化測定と、NpO_2とその参照物質なるUO_2の強磁場磁化測定を行った。パルス磁場測定のための試料準備と密封作業を東北大学金属材料研究所で行い、測定は阪大の強磁場施設を用いた。 NpRhGa_5では磁化測定の精密な温度依存性を測ることで磁場-温度相図を完成した。その結果、低温低磁場下で安定な、[110]軸に容易軸を持ったモーメントの大きな磁気異方性のある状態が、磁場や温度でモーメントが小さく磁気異方性の小さい状態に1次の相転移で変わることが明らかになった。この低温での状態は倉本・Kissらによって四極子モーメント間の相互作用が重要だと指摘されており、f電子が局在的である証拠になると考えられる。一方、1K以下のドハース・ファンアルフェン効果でこの物質のf電子が遍歴であるというの結果と照らし合わせると、局在、遍歴の問題を考える上で重要な結果だと思われる。 NpO_2の4.2Kでの磁化過程は、反強磁性を反映した直線磁化が得られた。多極氏の効果を反映した異常がネール点直下にあるという理論の予想があり、詳細な温度変化の測定を次年度に計画している。 磁化測定の精密化のためにアンプとコンピューターを購入し、システムの見直しを行った。これらの結果をふまえて次年度の最初にシステムの改良を行う予定である。 今年度の結果は、7月に行われたウィーンの「強相関電子系の国際シンポジウム」と9月の物理学会、10月にハノイで行われた国際会議、3月に行われた物理学会で報告した。
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Research Products
(2 results)