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2005 Fiscal Year Annual Research Report

低温STMによる強相関物質の本質的不均一性および局在性に関する研究

Research Project

Project/Area Number 17540342
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

松田 梓  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40386587)

Keywords強相関系 / 高温超伝導体 / 層状Cu酸化物 / 層状Co酸化物 / 不均一状態
Research Abstract

今年度は、1.(a)2台目の低温STM装置の立ち上げ、(b)電気抵抗などの超伝導特性測定装置の整備、といった実験設備の整備を重点的に進め、平行して、2.本計画の研究目標である金属-絶縁体転移と不均質状態の関連について研究を進めた。
項目1の実験設備の整備に関しては、2台目の低温STM装置を稼動状態にすることには成功した。しかしながら、まだ定常的に液体He温度域で測定を行うには問題があり、今後順次問題を解決してゆく予定である。電気抵抗などの測定に関して、日常測定が可能になった。
項目2に関しては、現在Bi系Co酸化物およびBi系高温超伝導体のBi-2223を中心にその低温STM測定や輸送測定を進めている。途中経過であるが、現状について簡単にまとめると次のようになる。Pbを添加しないBi系Co酸化物についてはSTM測定に成功し、Bi-O面と思われる格子像を得ている。低温下では、この格子像に十畳して、周期や方向の異なる3種類のストライプ状の凹凸構造が観測された。これらは、対称性からCo-O面の何らかの不均一、例えばストライプ状の電荷分布を見ているものと思われる。これは、低温STMによる初めての発見である。一方、電子状態密度はほとんど均一であり、高温超伝導体のような不規則な不均一状態は見られなかった。状態密度には、比較的強く温度依存する擬ギャップ状の構造が発見された。これは、電子系局在化の兆候と思われる。以上の点は、今後詳細な実験により確認する予定である。Bi-2223については、超伝導ギャップの空間分布の測定を進め、Bi-2212に比べて不均一状態が弱い可能性が高いことがわかった。この点についても、両電子系を比較しながら詳細な研究を進める。

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Published: 2007-04-02   Modified: 2016-04-21  

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