2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁場反転実験でのヒステリス・ループ面積のフラクタル・スケーリング
Project/Area Number |
17540346
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
長谷川 博 茨城大学, 理学部, 助教授 (70282283)
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Keywords | excess heat production / fluctuation-dissipation theorem / thermodynamic entropy / Barkhausen jump / magnetic reversalexperimnt / entanglement / self organized criticality |
Research Abstract |
平成17年度(2005年)にAdvances in Chemical Physicsに発表された"Generalization of the Fluctuation-Dissipation Theorem for Excess Heat Production"において、研究代表者らは、過剰発熱が厳密にアインシュタイン・エントロピーの時間偏微分関数の自己相関関数で表現されることを示し、その帰着として長時間相関を持つ系において、過剰発熱が外場周期について分数冪で減衰することを示した。更に非定常カオスを示す系においては、過剰発熱やエネルギー分散が分数冪で増加することをコンピュータ・シミュレーションで確認した。 実験において、過剰発熱はヒステリス・ループの面積として測定される。そのため長時間相関を持つ系において、ヒステリス・ループ面積のフラクタル・スケーリングが期待される。研究代表者らは、テキサス大学の金属薄膜の磁場反転実験におけるヒステリス・ループ面積測定において、フラクタル・スケーリングが現れているか検証中である。金属薄膜の磁場反転実験においては、Barkhausen jumpなどの自己組織化臨海現象が生じており、興味深い結果が期待される。 都立大学の田中らに指摘されているように、量子系において過剰発熱(熱力学エントロピー生成)は、量子エンタングルメントに関係しており、量子系におけるヒステリス・ループ面積の測定は量子エンタングルメント測定に対応する。我々は量子エンタングルメント測定においてもフラクタル・スケーリングを期待できる。量子エンタングルメントはナノ・テクノロジーに関連した重要な量であり、この方向での研究の発展が期待される。テキサス大学の実験グループでの測定可能性についても、複雑量子系研究センター所長のL..Reichl教授と検討中である。
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Research Products
(1 results)