2006 Fiscal Year Annual Research Report
完全WKB法による量子不純物系および量子ブラウン運動の解析
Project/Area Number |
17540354
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 静岡大学, 理学部, 助教授 (40222062)
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Keywords | 完全WKB法 / 量子不純物 / 量子ブラウン運動 / ベーテ仮説 / ODE / IM対応 |
Research Abstract |
1.量子不純物系に関する研究 量子不純物は、有効理論として境界条件によって記述されることが、近藤模型の取り扱いによって明らかになっている。そこで今年度は、物理的に興味深い不純物系を取り扱う前段階として、その最も簡単な境界条件のひとつであるディリクレ条件下での一次元スピン系、および超対称的サインゴルドン模型に関して解析をおこなった、これらはまた弦理論への応用の観点からも興味深い。解析の結果、任意の励起状態を記述する積分方程式が得られ、赤外極限ではS行列理論との、紫外極限での共形場理論との整合性が確かめられ、これらをスムーズにつなぐすべての領域に有効な記述が得られた。これらの結果は国際学会"From Statistical Mechanics to Field theory 2007"(メルボルン2007年)で発表され論文としても発表された。 2.完全WKB法の基礎理論に関する研究 本研究のもう一つの柱である、量子ブラウン運動の解析には、高次の微分方程式に関する完全WKB法の基礎理論を確立する事が不可欠である。そのため本年度は、高い対称性をもつ高次微分方程式に関して、ODE/IM対応の立場にたった研究をおこなった。その結果、ひろいクラスの方程式系に対して、その固有値と呼ばれる量が、可積分系の研究においてベーテ仮説方程式とよばれる代数方程式によって記述される事を明らかにし、解析的、数値的な評価をおこなった。この定式化は次年度の、量子ブラウン運動を解析に直接関係する意義深いものと認識している。 これらの結果は、国際会議"CFT and integrable models",(ボローニャ2006年)等で口頭発表され、また論文としても発表された。
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Research Products
(3 results)