2007 Fiscal Year Annual Research Report
完全WKB法による量子不純物系および量子ブラウン運動の解析
Project/Area Number |
17540354
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
鈴木 淳史 Shizuoka University, 理学部, 准教授 (40222062)
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Keywords | 完全WKB法 / 量子不純物 / ODE / IM対応 / ベーテ仮説法 |
Research Abstract |
1.量子不純物系に関する研究 前年度に引き続き有効理論として,不純物を境界条件としてとりいれる研究を続けた。その副産物として,量子色力学における1ループの摂動を厳密にとりあつかう理論との思いがけない関連を見いだした。物理的励起の間の散乱行列を完全WKB法により厳密に求めた。この結果は共同研究者により国際会議"Recent advances in quantum integrable systems"(フランス2007年)におい発表され,論文も現在印刷中である。 2.完全WKB法の基礎理論に関する研究 高階徴分ふくむ一般のintegro-differential方程式に関して,ODE/IM対応の概念を拡張した。量子可積分模型のプロトタイプである量子サインコルドン模型の特殊な結合定数の場合の代数構造をヒントにして古典型リー代数に付随する一連のintegro-differential方程式を提案した。ODE/IM対応その固有値問題は可積分模型に対するベーテ仮説方程式を満足することが予想されるintegro-differntial方程式の固有値問題を直接に数値的解析をおこなうことによりこの予想が正しい事を確かめ,さらに大域的な接続問題に関して議論をおこなった。 3.相開開数の基礎理論に関する研究 量子系の応答を特徴づけるためもっと需要である相開開数の厳密な評価に関する基礎的研究をおこない,相開開数の因子化などに関して基本的な知見を得た。この内容は,国際会議"Recent advances in quantum integrable systems"(フランス2007年)におい発表され,また論文としてもすでに出版された。
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Research Products
(4 results)