2005 Fiscal Year Annual Research Report
光近接場トラップ中の2次元スピン偏極原子格子における量子光学効果の研究
Project/Area Number |
17540369
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
堀 裕和 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (10165574)
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Keywords | 近接場光学 / スピン偏極 / 光ポンピング / 共振器量子電磁力学 / 放射の制御 / レーザー冷却 / 量子光学 / エバネッセント波 |
Research Abstract |
平坦誘電体表面でのレーザー光の全反射における横電場エバネッセント波の合成によって形成される格子状局所的回転電場と、エバネッセント波の波長が入射角により自在に調整できることを利用し、レッドおよびブルーデチューニングされた定在エバネッセント波によって形成される双極子トラップポテンシャルにより、誘電体表面近傍に二次元的にトラップされ、光波長よりも短い間隔で反相関のスピン配列と振動電気双極子モーメントを持つ冷却Cs原子二次元スピン偏極パターンを形成し、その放射特性のスピン依存性を通じての量子相関、および光近接場における広義の共振器量子電気力学効果が、原子と放射場の近接場相互作用における角運度量選択則やパリティー保存にもたらす質的な変化を解明することを目的とし、実験研究と理論研究を密接に関連させて研究を遂行した。 実験研究では、磁場配置に微調整機構を持つ安定な磁気光学トラップを製作し、冷却原子安定供給実験装置開発を行うとともに、双極子力2次元トラップと組合せる光軸調整の簡易な一体型プリズムを設計した。これとともに、全近接場光による共鳴イオン化顕微分析の新技術開発と、スピン偏極原子の二次元格子生成・観測の技術開発を推し進めた。理論研究では、近接場相互作用のトンネル描像に基づく第二量子化理論の枠組みを散逸系に適用し、特に、表面プラズモンを含むモデル系を詳細に検討し、近接場量子光学効果の観測に関する理論構築を推し進めた。これに加え、光源と検出器の両方を表現し、観測問題における非平衡開放系と近接場量子光学系を接続する理論について、先進グリーン関数の取り扱いを含めて詳細に検討し、ナノオプティクス、ナノフォトニクス全般に関わる理論的基礎研究を推し進めた。並行して、格子転移等によるゲージ場効果の観点から、低次元量子系でのスピンと擬角運動量の結合を解析し、表面近傍での自然放出におけるスピンに依存遷移選択則の変調と、スピン偏極原子格子の量子光学的振る舞いを考察し、表面スピンデバイスとの融合領域を研究した。
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Research Products
(1 results)