2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540372
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
谷村 省吾 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90273482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 歩 大阪市立大学, 大学院・工学研究科, 講師 (90398412)
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
近藤 康 近畿大学, 理工学部, 助教授 (40330229)
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Keywords | ホロノミック量子コンピュータ / NMR / カルタン分解 / エンタングルメント / 量子カオス |
Research Abstract |
谷村と中原が中心となってLie群のCartan分解を用いて量子コンピュータのアルゴリズムを核磁気共鳴装置(NMR)で実行できるプログラムに変換し、近藤は実際にNMRで実行した。さらに中原はLie群の積演算を用いて実行時間を短縮する方法を考案し、近藤はNMR実験でその有効性を確かめた。谷村と中原はBerryの位相の非可換版であるWilczek-Zeeのホロノミーをユニタリーゲートとして利用するホロノミック量子コンピュータの最適制御を研究した。この問題を等質空間の上の等ホロノミー問題として定式化し、厳密かつあからさまな形でこの問題を解いた。谷村はゲージ理論とホロノミーに関する解説論文を発表した。また、谷村は量子論の代数と表現論と、古典力学の可積分性とトポロジーの数理的関係を研究した。杉田はマクロな系のエンタングルメントを研究した。とくにWigner型の準位統計を持つ系、すなわち量子カオス状態にあるスピン系で相関関数を計算し、マクロなエンタングルメントは生じないことを示した。またスピン系で多数のマグノンが励起されている状態においてもエンタングルメントの評価を研究した。これらの研究成果は論文にして発表した。 平成17年9月に量子情報科学に関するミニワークショップを近畿大学で開催した。P.Zanardi, A.Hamma (Institute for Scientific Interchange), V.Bergholm, J.Vartiainen, M.Mottonen (Helsinki University of Technology), S.Lloyd (MIT),中ノ、河野、中島(NTT研究所)らに講演をしていただいた。小さな集会ではあったが、密な研究交流を行い、今後の研究のために有用な情報が得られた。
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