2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17540372
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
谷村 省吾 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90273482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 歩 大阪市立大学, 工学研究科, 講師 (90398412)
中原 幹夫 近畿大学, 理工学部, 教授 (90189019)
近藤 康 近畿大学, 理工学部, 助教授 (40330229)
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Keywords | エンタングルメント / 量子カオス / NMR / デコヒーレンス |
Research Abstract |
中原らは、混合状態系のエンタングルメントを繰り返し測定ではなく一回の測定で検出する新しい方法を開発した。この結果は量子計算のリソースを効率よく見つける方法として有用である。この結果は論文として発表した(Physical Review A)。 杉田らは、非可積分系の量子・古典対応を調べる目的で、周期ポテンシャルに勾配力を加えた系の非平衡定常状態への緩和現象をフォンカー・プランク方程式とWKBの方法を用いて解析した(Physica D)。また、トンネル効果によって緩和する系の時間発展をフォッカー・プランク方程式で解析し、中間状態がある場合には緩和が速くなることを示す理論式を導いた(Physical Review E)。また、非線形結合を持つ振動子系で、準位統計の変化と軌道分岐が連動して起こることを理論的・数値的に示した(J.Physics A)。これらの研究は、量子カオスと、量子系の制御について理解を深めるのに有用である。 また、中原らは国内外の研究者を招待して研究会を主催し、量子情報科学の研究交流を促進し、議事録を編集して我々のプレゼンスを世界に示すとともに、今後の研究の展開のための便宜を図つた。谷村は、新しい数学的道具を身につけようとする研究者を助ける目的で、トポロジー・圏論・微分幾何学についての物理学者・情報科学者向けの解説書を出版した。
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