2007 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外半導体レーザーの差周波発生を利用したテラヘルツ分光計の開発
Project/Area Number |
17540375
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
小田島 仁司 Meiji University, 理工学部, 教授 (50233557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立川 真樹 明治大学, 理工学部, 教授 (60201612)
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Keywords | テラヘルツ / 遠赤外 / 差周波 / 分子分光 |
Research Abstract |
本研究では,2台の850nm帯近赤外半導体レーザーの差周渡を,低温成長GaAsフォトミキサーで発生させた。得られた周波数可変なテラヘルツ波を利用して,様々な物質のテラヘルツスペクトルを観測するための分光計を開発した。成果の概要は以下のとおりである。 (1)テラヘルツ波発生:分光計の製作に先立ち,フォトミキサーのバイアス特性,周波数特性,入射光パワー依存性を測定し,テラヘルツ波発生の最適条件を見出した。 (2)分光計の評価:(1)で得られたテラヘルツ波を利用した分光計を製作した。この分光計により水,メタノールのスペクトルを観測し,分光計の評価を行なった。 (3)分光計の高分解能化:(2)では,レーザーがフリーラン状態であったため,レーザーの周波数変動が原因となり,分解能が10MHz程度であった。より高分解能のテラヘルツスペクトルを観測するために,半導体レーザーの周波数安定化を行なった。安定化は,Cs,D2線の飽和吸収にレーザーをロックすることにより行なった。 (4)高精度の周波数計測:(2)では,波長計で測定したレーザー周波数をもとにテラヘルツ波の周波数を決定していたが,これでは波長計の性能から,測定精度が30MHz程度に制限される。そこで,EO変調器型光コムを利用して,テラヘルツ波の周波数を高精度に計測するための予備実験を行なった。Cs,D2線を中心に±1。5THzのコムの発生を確認した。
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Research Products
(4 results)