2006 Fiscal Year Annual Research Report
一般化されたチャンネル結合点状相互作用を用いた量子レジスターのモデル
Project/Area Number |
17540376
|
Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 京都産業大学, 工学部, 教授 (60180189)
|
Keywords | 一般化された点状相互作用 / 量子レジスター / 量子ソロバン |
Research Abstract |
1.エネルギーに依存した一般化された点状相互作用の自己共役性と非定常解のユニタリー性: これまでの研究でエネルギーに依存した点状相互作用の一般形を構築し、その点状相互作用を持つシュレーディンガー方程式の定常状態解が完全系を構成することを示した。このことはしかし、このエネルギーに依存した点状相互作用が自己共役であり非定常解の時間発展がユニタリーであることを必ずしも意味しないのである。本研究ではこの問題を詳しく調べ、点状相互作用の自己共役性が保障され、非定常状態解の時間発展のユニタリティが保障されるために満たされるべき条件を明らかにした。この研究は量子レジスターのモデル構築のために役立つものと期待される。(成果論文2参照) 2.点状相互作用を用いた量子ソロバンの拡張とその安定性について: 一般化された点状相互作用トンネルポテンシャルと調和振動子ポテンシャルによって構成される量子ソロバンのモデルの拡張として、一般化された点状相互作用を有限幅の擬点状相互作用トンネルポテンシャルに置き換えた量子レジスターモデルについて調べた。最も簡単な場合として、1パラメータ点状相互作用を有限幅のポテンシャルに置き換えた場合、量子ソロバンの安定性が時間的に急速に崩れることを数値シミュレーションにより明らかにした。この解析を今後更に他のより一般的な擬点状相互作用ポテンシャルに対して行う。 3.時間依存シュレーディンガー方程式の高精度数値解法の開発: 上記2の量子レジスター系の安定性を数値シミュレーションにより調べるには、時間依存シュレーディンガー方程式を長時間にわたり高精度で解く数値解法アルゴリズムが必要になる。本研究では、時間空間(1+1)次元シュレーディンガー方程式に対するクランク-ニコルソン法的な陰的解法の改良版として、高精度且つ短処理時間の数値解法アルゴリズムを開発した。(成果論文3参照)
|
Research Products
(3 results)