2007 Fiscal Year Annual Research Report
一般化されたチャンネル結合点状相互作用を用いた量子レジスターのモデル
Project/Area Number |
17540376
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 Kyoto Sangyo University, 工学部, 教授 (60180189)
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Keywords | 一般化された点状相互作用 / 量子レジスター / 量子ソロバン / threshold anomaly / 量子検索アルゴリズム |
Research Abstract |
1.デルタ関数の微分型の一般化された点状相互作用の特性について調べた。このポテンシャルがある特定の形状の有限幅のポテンシャルのゼロ・レンジへの極限として定義される場合、あるエネルギー領域での共鳴透過の存在が最近指摘された。本研究では、この問題をより一般的な形状の有限幅ポテンシャルのゼロ・レンジ極限の問題に拡張し、その共鳴透過効果はポテンシャルのゼロ・レンジへの極限過程において保持されるゼロ・エネルギーでの束縛状態の存在(threshold anomaly)として理解されることを明らかにした。 2.微小な有限幅の方形擬点状相互作用トンネル・ポテンシャルと調和振動子ポテンシャルで構成される量子レジスターの安定性について、コヒーレント波束の時間発展を数値シミュレーションすることにより調べた。今後、この解析を他の様々なタイプの擬点状相互作用トンネル・ポテンシャルに対して拡張しこの量子レジスターモデルの安定性について明らかにする。 3.3個の複素パラメータからなるフェルミ擬点状相互作用型のポテンシャルからなるシュレーディンガー・ハミルトニアンとそのエルミート共役ハミルトニアンの特性を調べた。これらのハミルトニアンは個々にはPT(空間・時間反転)不変ではなくエルミートでもない。そしてそれらのハミルトニアンの透過・反射問題におけるS行列は個々にはユニタリーでない。しかし、それらのS行列は対として擬ユニタリー性という性質を形成する場合があることを明らかにした。 4.本申請研究課題の関連問題として、グローバーの量子検索アルゴリズムの拡張について調べた。本年度は、従来の位相整合アルゴリズムをさらに拡張し多重位相整合アルゴリズムという新しいアルゴリズムを提案しその有用性を明らかにした。本研究は現在進行中であり研究をさらに発展させる。
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