2008 Fiscal Year Annual Research Report
一般化されたチャンネル結合点状相互作用を用いた量子レジスターのモデル
Project/Area Number |
17540376
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
外山 政文 Kyoto Sangyo University, コンピュータ理工学部, 教授 (60180189)
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Keywords | 一般化された点状相互作用 / 量子レジスター / 量子ソロバン / threshold anomaly / 量子検索アルゴリズム |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、3個の複素パラメータからなるフェルミ擬点状相互作用型ポテンシャルからなるシュレーディンガー・ハミルトニアンHとそのエルミート共役ハミルトニアンH^†の透過・反射問題について調べた。そして、HとH^†により構成されたS行列の擬ユニタリティ性と固有関数の双直交性との関連性、について新しく明らかにした。さらに、複素係数の点状相互作用を持つハミルトニアンの固有値が実数になる場合が存在し、そのような場合にはHとH^†は擬エルミート対を形成することを明らかにした。 2.量子力学の演算子の自己共役性は、一般にその定義域の境界でのいろんな処方を基に成り立っている。本研究では、時間に依存するシュレーディンガー方程式の幾つかの物理系の時間発展解との関連でこの問題を議論した。さらに、自己共役演算子の通常の定義と、時間に依存したシュレーディンガー方程式のよく定義された解を構成する可能性とを関係づけるStoneの定理について議論した。 3.関連問題である量子検索アルゴリズムの拡張版として、Groverの量子探索アルゴリズムにおける多重位相整合という新しい手法を提案しその有用性について詳しく調べた。本研究では、LongやLi&Liにより提案された従来の探索演算毎の単一位相整合と異なり、全探索演算に渡って大域的な多重位相整合をとることにより、全探索演算終了後に極めて高い探索効率の探索成功確率曲線が得られることを明らかにした。本問題は今後の継続課題である。
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Research Products
(9 results)