2005 Fiscal Year Annual Research Report
津波波形解析による19世紀-20世紀前半に発生した海溝型巨大地震の破壊過程の解明
Project/Area Number |
17540386
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷岡 勇市郎 北海道大学, 理学研究科地震火山研究観測センター, 助教授 (40354526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 稔 北海道大学, 理学研究科地震火山研究観測センター, 教授 (40001846)
佐竹 建治 産業技術総合研究所, 活断層センター, 副センター長 (20178685)
平田 賢治 海洋研究開発機構, 研究員 (20359128)
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Keywords | 千島の津波波形記録 / カムチャッカの津波 / 津波数値計算 / 1894年根室沖地震 / 1973年根室沖地震 |
Research Abstract |
過去の千島列島・サハリンの津波記録を管理しているユジノサハリノスクのあるロシア科学アカデミー極東部IMGGを訪問し、過去の津波波形を収集した。第2次世界大戦後1952年からの津波波形記録が残されており、それらの記録を収集した。1952年より前の記録が存在しない事を確認した。カムチャッカでの津波記録を探索するため、ペトロパブロフスク・カムチャッカにあるロシア科学アカデミー極東部火山地震研究所を訪問し、1952年カムチャッカ巨大地震による津波高分布を収集した。また最近過去の地震の津波遡上高分布を津波堆積物から調査する研究が世界的に進んでいるが、カムチャッカでも津波堆積物調査研究がすすんでいる。アメリカ・カムチャッカの研究者が共同で調査が開始されており、それらの研究者と今後の研究の進め方について話し合い、共同研究を進める事を確認した。 さらに、現在日本に存在している19世紀の津波波形の1つである1894年根室半島沖地震津波の鮎川検潮所で記録された波形を使用して1894年根室半島沖地震の震源過程を推定した。断層の長さは約200km程度、地震モーメントは28.8x10^<20>Nm(Mw8.2)と推定された。その結果を1973年根室沖半島沖地震と比較するために、1973年根室半島沖地震の震源過程を北海道から東北地方の太平洋沿岸の検潮所で観測された津波波形を用いて推定した。すべりが大きかったのは根室の沖合いで40km程度の長さの場所に集中しており、地震モーメントは6.8x10^<20>Nm(Mw7.8)と推定された。1894年根室半島沖地震は1973年根室半島沖地震の繰り返し地震であると考えられているが、1973年の地震よりも大きく、断層の長さも200kmと長かった事が明確になった。
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