2007 Fiscal Year Annual Research Report
津波波形解析による19世紀-20世紀前半に発生した海溝型巨大地震の破壊過程の解明
Project/Area Number |
17540386
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
谷岡 勇市郎 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 准教授 (40354526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 稔 北海道大学, 大学院・理学研究院, 教授 (40001846)
佐竹 建治 産業技術総合研究所, 活断層センター, 上席研究員 (20178685)
平田 賢治 北海道大学, 気象庁気象研究所, 主任研究官 (20359128)
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Keywords | NOAAの津波波形記録 / 1918年千島地震津波 / 津波数値計算 / 2006年千島沖地震 |
Research Abstract |
●今年度も米国コロラド州ボルダーに在るNOAAのNational Geophysical Data Center(NGDC)に行き、過去の地震による津波の検潮波形の調査及び収集を行った。マイクロフィルムに収められたデータは、昨年の訪問で波形の重要性を説明したため、NGDCによりスキャンによるデジタル画像化の作業が進み、1969年千島沖地震による津波波形記録まで収集することができた。 ●1918年中千島沖地震によって発生した津波を記録したハワイ及びサンフランシスコの検潮記録(昨年度NOAA-NGDCより収集)に日本の検潮記録(銚子・父島)を加えて、1918年中千島地震の震源過程を解析した。津波数値計算により計算された波形と観測波形を比較することにより、1918年中千島地震は2006年中千島沖地震の南東側に置いた200kmx80kmの逆断層型の断層モデルですべり量を6.3mとすると説明できることが分かった。地震モーメントは4.0xl0^<20>Nm(Mw8,4)と推定され、2006年中千島地震の地震モーメントと同程度であるとこが判明した。この結果より、北海道太平洋沿岸からカムチャッカ半島沖にかけた千島海溝沿いの沈みこみ帯ではM9-M8の巨大地震が20-21世紀にかけてほぼ全てのプレート境界域を埋め尽くすように発生していたことが明らかになった。 ●昨年度2006年中千島地震の震源過程を世界中で記録された津波波形記録を用いて推定したが、本年度は中千島地震による津波がオホーツク沿岸で気象庁が予測した津波より小さな津波を記録した原因を解析した。断層域が海溝沿いにあると海底地形の影響によりオホーツク沿岸で津波が小さくなることが明らかになった。 ●最後にIUGG及びAOGSの国際会議にて本研究で得られた成果を発表し、世界の津波研究者から高い評価を得た。
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Research Products
(6 results)